関東大学サッカーリーグ2部の振り返り

2部は東京国際大学と東洋大学が来シーズン1部に昇格する。前者は3年生中心のメンバー構成で1シーズン通して浮き沈みの少ない試合を経て独走態勢で1部昇格と優勝を決めた。後者は最終節、神奈川大学との直接対決を制し逆転で1部行きの片道切符を得た。降格争いでは最終節でドラマが起きた。当日1試合目にて関東学院大が勝利したが他会場の結果で明治学院大が勝利したため降格になった。またこれで終わることは無く2試合目にて朝鮮大が4点差以上の勝利で残留と言う難しい条件下だったがそれを達成し最後の最後に来季関東2部を戦う権利を得た。明治学院大は朝鮮大と同会場で試合していたため目の前の現実を受け止めるのは難しかっただろう。
シーズン前の予想で筆者は中央大学が中心になって昇格争いは動くだろうと予想していたが徐々にそれは外れていった。前期リーグ中大は持ち前の力を発揮し1位で折り返した。ところが後期初戦で最下位明治学院大に敗れてから浮き沈みの激しい試合を重ね、昇格争いのライバルチーム神奈川大、東京農業大、東洋大、東京国際大に4連敗を喫しシーズンを終えた。
各ポジションに高校時代名を馳せたプレーヤーを多数抱える名門は2部の沼に嵌ったのかもしれない。寺村介(3年/星稜)上島拓巳(2年/柏U18)などリーダーシップを執れる選手が多いため来季はスケールアップした中大が見たい。
昇格争いを終始牽引した東京国際大学は大きな崩れは無く昇格と優勝を決めた。前期に2度負けただけで後期は7勝4分の無傷でシーズンフィニッシュした。3年生中心のメンバー構成でCBの中村彰吾(2年/鹿島学園)楠本大海(3年/大成)MF成田悠牙(3年/市立船橋)安東輝(3年/浦和レッズY)ら来シーズン更に成長を遂げたらJリーグ入りも夢では無い選手が多数いる。FW町田ブライト(2年/成立学園)はこの世代を代表するFWに成長。フィジカル、スピード、得点感覚が冴え渡り攻撃陣の中心として活躍。彼なしでは昇格は無かっただろう。3シーズンぶりとなる来季の1部リーグで今年以上の活躍を期待。
最終戦まで縺れた昇格枠争いは東洋大が獲得した。神奈川大との最終節攻め急いだせいか縦に送るも繋がらず神奈川大に回されるシーンが多かったが後半上手く修正しながら選手交代進め試合終了間際ラストワンプレーでドラマは起きた。左コーナー仙頭啓矢(来季京都サンガ内定)のキックは走り込んできた徳市寛人(4年/東福岡)の頭にジャストで合いゴールネットを揺らす。東洋大サッカー部関係者が歓喜に酔いしれ直後の残りワンプレー神奈川大の猛追を防ぎ4年ぶりの悲願を達成した。開幕直後はスロースタートとなり危ぶまれた昇格争いだったが4節の初勝利を皮切りに6勝1分。後期は勝ち切れない試合があったが大一番となった中央大との直接対決を制し最終節神大に勝利し大逆転昇格を決めた。4年生の代は1年生時に1部から2部に落ち4年になって昇格を後輩への置き土産として引退していった。1年生の頃から主力としてプレーしていた仙頭啓矢は並々ならぬ思いから試合後の挨拶では涙を浮かべていた。
東洋大の今季のメンバーは4年生の次に2年生が多く出場していた。その中心はCB浦上仁騎(大宮Y)MF高橋宏季(FC東京U18)坂元達裕(前橋育英)の3人だ。攻撃陣が来シーズンは多く入れ替わることが予想されるため現有戦力のレベルアップとサブ組の底上げが1部に残り続ける鍵になるだろう。私自身、東洋大を継続的に見てきたこともあり昇格の場に立ち会えて嬉しかったし来シーズン大いなる期待を寄せたい。
先日、関東大学サッカー大会が行われ勝ち上がった日本大学、立正大学が来季関東2部に昇格する。日大は2年ぶり、立正大は11年ぶりとのこと。更に1部から降格して来る早稲田、国士舘も加わる。過去に1部を経験してるチームが2部にも多く所属し来シーズンは更に競争率の高い戦いが繰り広げられるだろう。何となくここ数年のJ2リーグを彷彿とさせる雰囲気を感じる。2部で活躍したプレーヤーがJリーグで活躍している現状(例:元神奈川大→柏レイソル 伊東純也 元関東学院大→横浜Fマリノス 冨樫敬真)から1部と同様に見逃せないチーム、選手が多い。
大学グラウンドで行われることがメインなのでアクセスが悪いところもあるけど小旅行がてら行ってみることをオススメしたい。

(TEXT・柿崎優成)

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