Jユースカップ決勝プレビュー!FC東京U-18vsサンフレッチェ広島ユース 注目のGK対決に期待

  11月19日(土)13時からヤマハスタジアムでJユースカップの決勝戦が開催される。毎年、それぞれ各リーグの中断期間10月半ば〜11月までの短い間で行われており、その中でJの将来を担う若者たちがしのぎを削って戦う。今季のJユースカップ決勝に残った2チームはFC東京U-18とサンフレッチェ広島ユースだ。

  FC東京U-18は夏に行われた日本クラブユース選手権で優勝しており、2冠目をかけた試合となる。メンバーの多くがFC東京U-23に登録されており、J3を経験した選手が数多く在籍している。さらにFCバルセロナから異例の“移籍”を果たし、先日最年少でJデビューを飾った久保健英も、メンバーの1人だ。あいにくこの日はJ3の最終戦が被っているため、久保がどちらに帯同するかはわからないが、もし決勝戦での出場が決まった場合、かなり注目を集めるに違いない。そのFC東京U-18のメンバーの中で、注目する選手を挙げるならばGKの波多野豪だ。U-15、U-16、U-19とそれぞれ代表候補を名を連ねており、日本の次世代を担うGKである。彼の長所は何と言っても、196cmという恵まれた体格から活かしたセービング技術にある。ダイナミックなプレーや相手に与える威圧感は時に恐怖を感じさせ、それをも武器にしてしまう力を持っている。今大会でFC東京U-18は複数失点がなく、全て1失点以外に抑えている。守備陣の貢献度ももちろんだが、その数字には最後尾からゴールに立ちふさがる波多野の存在が大きい。日本代表、ハリルホジッチ監督の言っていた「GKの身長は190cm」を優に超えており、決勝の舞台でもその高いポテンシャルを発揮することができると期待する。

  対するサンフレッチェ広島ユースは高い攻撃力を武器に決勝まで勝ち上がってきた。こちらも多くのタレントを有して5試合で23得点という結果を残している。3年生で攻撃の中心を担う山根永遠(とわ)は元サンフレッチェ広島の浅野拓磨を思わせるような爆発力のある攻撃を見せ、そこに明比(あけび)友宏や仙波大志といった2年生のアタッカー陣が得点を狙いに行く。そんな攻撃陣にも多くの期待がかかるが、今日注目選手として名前をあげたいのは、こちらもGKも大迫敬介である。昨年1年生ながらゼロックススーパーカップの前に行われた高校生選抜vsJユース選抜の「NEXT GENERATIONS MATCH」に出場。大きな舞台でも物怖じせず、実力を見せつけられる強さはチーム1だ。彼もU-16、U-18と代表候補であり、185cmという高さを兼ね備えている。特に準々決勝のC大阪U-18戦では攻め込まれる展開が続くも、失点を1で抑える。PK戦に突入すると、大迫が2本もストップし、4ー3で勝利。高い存在感を発揮し、チームを準決勝進出へ導いた。DFでキャプテンでもあり、来季のトップチームの昇格が決まっているイヨハ理(おさむ)ヘンリーを中心とした守備と2年生守護神の活躍で、チームに栄冠をもたらすことができるか。

  失点をしなければチームは負けない。それはロースコアで勝敗が決まるサッカーというスポーツならではの考え方である。そこに優秀なGKが属している2チームが決勝に進出した。決勝戦も1点が重要視される難しい試合が予想される。そこには必ずしもそのGKの活躍があってのことだろう。タレント揃いの強力な攻撃陣をどちらがシャットアウトするのか。将来のJリーグを、日本代表を担う若者が輝く舞台。その決勝が明日キックオフされる。

(TEXT・藤井圭)

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